いつも考えすぎてしまうあなたへ。考えすぎることは、悪いことばかりじゃない。

はじめに

何かをしたあとに、「あの言い方でよかったのだろうか」と考えてしまう。

誰かと話したあとに、「もしかして嫌な思いをさせてしまったかもしれない」と不安になる。

まだ起きてもいない未来のことを想像して、失敗したらどうしよう、うまくいかなかったらどうしようと、頭の中で何度も同じことを繰り返してしまう。

本当はもっと気楽に生きたい。
もっと何も考えずに笑っていたい。
目の前のことを楽しみたい。

それなのに、気がつけばまた何かを考えている。

もし、あなたがそんな毎日を送っているのなら、最初に伝えたいことがあります。

考えすぎてしまう自分を、必要以上に責めないでください。

考えすぎることには、良い面もあれば、悪い面もあります。

大切なのは、考えることを完全にやめることではありません。自分の考え方とうまく付き合えるようになることです。

今回は、いつも考えすぎてしまう人に向けて、その性格の良いところと、少しだけ手放してもいいところについて考えていきたいと思います。

1. 考えすぎる人は、物事を深く考えられる人

考えすぎる人は、悪いことばかりを考えているわけではありません。

物事を深く考えられるという、大きな長所を持っています。

何かを始める前に、失敗する可能性を考える。
人と接するときに、相手がどう感じるかを想像する。
大切な決断をするときに、さまざまな選択肢を比較する。

こうした行動は、時として自分を守る力になります。

勢いだけで行動するのではなく、先のことを考えられるからこそ、避けられる失敗もあります。

相手の気持ちを想像できるからこそ、優しい言葉を選べることもあります。

何度も考え抜くからこそ、簡単には見つからない答えにたどり着けることもあります。

つまり、考えすぎるという性格は、使い方によっては大きな武器になるのです。

世の中には、あまり深く考えずに行動できる人もいます。それはそれで素晴らしいことです。

しかし、慎重に考えられる人にしか見えない景色もあります。

だから、自分の性格を無理に変えようとしなくてもいいのです。

あなたが普段から考えていることは、決してすべてが無駄なわけではありません。

ただし、ここで一つだけ気をつけたいことがあります。

それは、考えることと、悩み続けることは違うということです。

2. 考えることが、自分を苦しめることもある

考えることには価値があります。

しかし、同じことを何度も考え続けても、新しい答えが見つからないことがあります。

例えば、誰かに少し冷たい態度を取られたとします。

すると、頭の中でこんな考えが浮かんできます。

「何か悪いことをしたかな」
「嫌われてしまったのかな」
「昨日の発言が原因だったのかな」
「もう話しかけないほうがいいのかな」

最初は、相手との関係を大切にしたいという気持ちから始まったはずです。

ところが、考え続けるうちに、まだ確かめてもいないことを事実のように感じてしまいます。

相手が単純に疲れていただけかもしれない。
仕事や勉強で余裕がなかっただけかもしれない。
あるいは、あなたとはまったく関係のないことで悩んでいたのかもしれない。

それなのに、頭の中で何度も想像していると、まるで自分が悪いことをしたかのように感じてしまうのです。

ここに、考えすぎることの怖さがあります。

まだ起きていないことに、自分の心を傷つけられてしまうのです。

未来を想像することはできます。しかし、未来を完全に予測することはできません。

過去を振り返ることもできます。しかし、過去の出来事を何度考え直しても、起きた事実そのものを変えることはできません。

それなのに、私たちは頭の中で何度も過去をやり直し、未来を先取りして、不安を大きくしてしまいます。

気がつけば、目の前では何も起きていないのに、心だけが疲れ切っている。

もしそんな状態になっているのなら、少し立ち止まってみてください。

あなたは今、問題を解決するために考えているのでしょうか。

それとも、答えの出ない不安を何度も繰り返しているのでしょうか。

この二つを区別するだけでも、気持ちが少し楽になることがあります。

3. 考えすぎる人ほど、自分に厳しいことがある

考えすぎてしまう人は、他人には優しいのに、自分には厳しいことがあります。

誰かが失敗したときには、「誰にでも失敗はあるよ」と声をかけられる。

友人が落ち込んでいたら、「そんなに気にしなくていいよ」と励ませる。

しかし、自分が同じ失敗をすると、なかなか許せません。

「どうして自分はこんなこともできないんだろう」
「もっと頑張れたはずなのに」
「周りの人はできているのに、自分だけ何をしているんだろう」

他人には許せることが、自分には許せない。

他人には休んでいいと言えるのに、自分が休むと罪悪感を覚える。

そんな経験はないでしょうか。

もしそうなら、少しだけ考え方を変えてみてほしいのです。

あなたが大切にしている人が、あなたと同じ失敗をしたら、どんな言葉をかけますか。

きっと、必要以上に責めたりはしないはずです。

それなら、自分にも同じ言葉をかけてあげてください。

失敗した日も、うまくいかなかった日も、何もできなかった日も、あなたはあなたです。

人間なのだから、間違えることもあります。

気持ちが落ち込む日もあります。

どうしても前向きになれない日だってあります。

それでも、あなたの価値がなくなるわけではありません。

自分に優しくすることは、甘えることではありません。長く歩き続けるために必要なことなのです。

いつも自分を追い込んでいるのなら、今日くらいは、自分の味方になってあげてもいいのではないでしょうか。

4. すべてに答えを出そうとしなくていい

私たちは、何か問題が起きると、すぐに答えを見つけようとします。

なぜ失敗したのか。
なぜあの人はあんなことを言ったのか。
なぜ自分はこんな気持ちになるのか。
これからどうすれば正解なのか。

もちろん、原因を考えることは大切です。

しかし、人生には、いくら考えても答えが出ないこともあります。

他人の本当の気持ち。
将来、何が起こるのか。
自分が選ばなかった道の先に何があったのか。

それらを完全に理解することはできません。

それなのに、すべてを理解しようとすると、いつまでも頭の中から問題が消えなくなります。

だからこそ、ときには「今はわからない」と認めることも大切です。

わからないことを、無理にわかろうとしなくていい。

決められないことを、今日中に決めなくてもいい。

答えが出ないことを、ずっと考え続けなくてもいい。

人生には、時間がたってから初めてわかることもあります。

当時は失敗だと思っていた経験が、何年か後には自分を成長させてくれた出来事だったと気づくこともあります。

反対に、絶対にうまくいくと思っていたことが、思いどおりにならない場合もあります。

だから、今の自分にはわからないことがあってもいいのです。

すべてに答えを出せる人間になろうとしなくてもいい。

わからないことを、わからないままにしておく勇気も、人生には必要なのです。

5. 考えすぎる自分と、うまく付き合う方法

では、考えすぎて苦しくなったとき、どうすればいいのでしょうか。

無理に何も考えないようにする必要はありません。

少しずつ、考え方との付き合い方を変えていきましょう。

まず、一つ目は、頭の中にあることを書き出すことです。

不安なこと、気になっていること、これから起こりそうで怖いこと。

何でもいいので、紙やスマートフォンに書いてみてください。

頭の中だけで考えていると、同じことを何度も繰り返してしまいます。

しかし、文字にして外に出すことで、自分が何を不安に感じているのか、少し客観的に見られることがあります。

二つ目は、今、自分にできることを一つだけ考えることです。

未来が不安なら、未来を完璧に予測しようとするのではなく、今日できる準備を考えてみる。

人間関係が不安なら、相手の気持ちを想像し続けるのではなく、自分にできる誠実な行動を考えてみる。

考えることを、行動につなげていくのです。

三つ目は、考える時間を区切ることです。

例えば、悩みについて15分ほど考えたら、いったん別のことをしてみる。

散歩をする。
好きな音楽を聴く。
お風呂に入る。
軽く体を動かす。

頭の中だけで解決しようとせず、意識を目の前の生活に戻してみてください。

そして四つ目は、完璧な答えではなく、今の自分にとって十分な答えを探すことです。

すべての選択が正解である必要はありません。

あとから修正できることもあります。

失敗したら、学び直せばいい。

間違えたら、やり直せばいい。

最初から完璧な人生を歩もうとするのではなく、その都度、少しずつ軌道修正していけばいいのです。

ただし、考えすぎによって眠れない日が続いたり、日常生活に支障が出たりする場合は、一人で抱え込まず、信頼できる人や専門家に相談することも考えてみてください。

自分の力だけですべてを解決する必要はありません。

6. 考えすぎるあなたには、考えすぎるあなたの良さがある

考えすぎてしまう人は、ときどき、自分の性格を嫌いになります。

もっと気楽に生きられたら。
もっと鈍感になれたら。
もっと簡単に決断できたら。

そう思うこともあるでしょう。

確かに、何も気にせず行動できる人を見て、うらやましく感じることもあるかもしれません。

しかし、考えすぎるあなたにも、あなたにしかない良さがあります。

人の気持ちを想像できること。

物事を簡単に決めつけず、深く考えられること。

失敗から何かを学ぼうとすること。

大切なものを失わないように、慎重に向き合えること。

その一つひとつは、決して悪いものではありません。

ただ、その優しさを他人だけに向けないでほしいのです。

相手の気持ちを考えるように、自分の気持ちも考えてあげてください。

未来を心配するように、今の自分が頑張っていることにも目を向けてください。

失敗を振り返るように、うまくできたことも振り返ってください。

あなたは、できなかったことばかりを数えていませんか。

本当は、できたことだってあるはずです。

今日も起きられた。
仕事や勉強に向き合えた。
誰かに優しくできた。
苦しい気持ちを抱えながらも、一日を過ごせた。

そんな小さなことだって、立派なことなのです。

人生は、いつも大きな成果を出し続けなければならない競争ではありません。

ときには立ち止まり、ときには迷い、ときには休みながら、自分のペースで進んでいけばいいのです。

おわりに

考えすぎることは、良いことでもあり、良くないことでもあります。

深く考えるからこそ、気づけることがある。

慎重だからこそ、守れるものがある。

優しいからこそ、相手の気持ちを想像できる。

その一方で、考えすぎることで、自分を苦しめてしまうこともあります。

まだ起きていない未来に怯え、変えられない過去を悔やみ、他人には向けない厳しさを自分に向けてしまうこともあります。

だからこそ、必要なのは、考えることをやめることではありません。

考えるべきことは考え、考えても仕方のないことは、少しずつ手放していくことです。

すべてを気にしなくなる必要はありません。

すべてに自信を持てるようになる必要もありません。

不安があってもいい。
迷ってもいい。
答えが出ない日があってもいい。

それでも、自分を責め続ける必要はないのです。

あなたが今まで考え続けてきたのは、きっと、いい加減に生きたくなかったからではないでしょうか。

失敗したくなかった。
誰かを傷つけたくなかった。
大切なものを守りたかった。
自分の人生を、少しでも良いものにしたかった。

そんな思いがあったのかもしれません。

だったら、これからは、その真剣さを自分自身のためにも使ってあげてください。

どうすれば自分を苦しめずに済むのか。
どうすれば、もう少し気楽に生きられるのか。
どうすれば、今この瞬間を大切にできるのか。

そんなことを考えてみてもいいのです。

そして、最後に一つだけ。

人生は、考え抜いた人だけが幸せになれるわけではありません。

ときには考えることをやめて、目の前の景色を眺めてみてください。

おいしいものを食べて、好きな音楽を聴いて、誰かと笑って、何もせずに過ごす時間を楽しんでみてください。

答えを探すことに夢中になっていると、目の前にある幸せを見落としてしまうことがあります。

人生には、考えて理解することで見えてくるものもあれば、実際に感じることで初めてわかるものもあります。

だから、もう少しだけ、気楽に生きてみてもいいのです。

考えすぎる自分を否定しなくていい。

ただ、考えすぎる自分に人生のすべてを支配させなくてもいい。

あなたには、深く考える力がある。

そして同時に、考えることから離れて、今を楽しむ力も、これから少しずつ身につけていけばいいのです。

焦らなくても大丈夫です。

今日から少しずつ、自分の心を楽にしてあげましょう。

あなたが自分自身と、今より少しだけ優しく付き合えるようになることを願っています。

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